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2017-03-07 10:48
プーチン政権は2024年まで続く
飯島 一孝
ジャーナリスト
ロシアの次期大統領選は来年3月に行われる見通しとなり、プーチン大統領の事実上の4期目当選が早々と確実視されている。当選すればさらに6年、つまり2024年5月まで大統領として君臨することになる。今の情勢では、プーチン政権が次期大統領の任期が切れる2024年まで続くのは間違いないだろう。プーチン氏は2000年に初当選し、47歳で大統領に就任して以来、大学後輩のメドベージェフ大統領時代を含め、すでに16年間、実質的な最高指導者を続けている。さらにもう1期務めれば年齢は71歳となり、最高指導者の在籍年数は20年を超え、ソ連・ロシアを通じて異例の長期政権となる。
大統領サイドは次期大統領選にプーチン氏が立候補するかどうか明言していないが、側近らによると、過去の選挙より透明性があり、過去最高の得票率を目指す考えを示している。いわば、次期大統領選を信任投票とみなしているわけで、それだけ4選に自信を持っているのである。それというのも、プーチン氏と対等に戦える有力な対抗馬がいないからである。逆に言えば、政権側が対抗馬になりそうな政治家をそれ以前に徹底的に潰してしまうからだ。その具体例としては、プーチン大統領の政敵とみなされ、長期間刑務所に押し込められていた元石油王、ホドルコフスキー氏があげられる。
次期大統領選に立候補を表明している政治家を見ると、与党側からは極右政党「自由民主党」のジリノフスキー党首だけで、残る2人は野党側のナバリヌイ氏と、ヤブリンスキー氏である。自民党党首は毎回立候補しているが、党勢拡大が目的で、プーチン氏に対抗する意欲は感じられない。一方、野党側は若手のナバリヌイ氏と、ベテランのヤブリンスキー氏で、共に大量得票は期待薄である。ナバリヌイ氏は都市部のインテリ層に人気があるが、政権側に汚職事件を徹底追及され、今回も有罪判決が出され、立候補は厳しい状況である。彼も、強敵になりそうな人物を事前に潰す政権側の犠牲者といえる。
今後、国民に広く支持される期待の新星が現れないとも限らないが、プーチン氏が政権を禅譲する形でないと事実上、当選は不可能である。そういう意味では、共産党政治局が権力を掌握していたソ連時代と変わらない。政治局がプーチン氏に変わっただけとも言える。プーチン氏はその次の選挙には憲法の「連続2期まで」の規定により、立候補できない仕組みになっているので、今の政権が変わるとすれば2024年以降となろう。
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