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2019-07-31 17:28
「はやぶさ2」の偉業に見る日本流の宇宙事業
船田 元
衆議院議員(自由民主党)
今から50年前の7月21日未明(日本時間)、アメリカNASAのアポロ11号により、人類を初めて月に送り込むという偉業が達成された。私は高校1年生の夏休み初日で初めて徹夜し、この歴史的瞬間を見ようと、テレビの前に陣取った。宇宙飛行士の一挙手一投足や、管制センターとのやりとりを、固唾をのんで見守った。
最近のアポロを回顧する報道の中では、当時アメリカとソ連の間では、宇宙開発競争が激化しており、国家としての威信がかかっていたと指摘する。アメリカとしては先を越されまいと、ステップを2つ3つ端折って、無理に月に送り込んだと言う話も披露された。また当時のコンピュータは真空管が使われ、今から考えると、よくそんな装備で月に到達できたものだと感心してしまう。
それから50年、今度は日本のJAXAが宇宙開発で大きなステップを踏むことができた。言うまでもなく小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウに到達し、完璧な正確さで岩石を採取したことである。特に2回目のタッチダウンでは、弾丸を撃った後に出来た人口クレーターからの岩石採取となり、太陽光などで風化されていない岩石が採取された可能性が高い。その分析によって、太陽系の成り立ちや生命の起源等を解明する大発見が行われるかも知れない。
また電波でも20分かかるという、地球から3億キロも離れた遠い宇宙で、探査機をピンポイントで誘導する技術は、現在他のどの国も追随する事はできないはずだ。まさにアポロ11号の月面着陸に継ぐ位の、いや匹敵する位の大きなステップではないだろうか。アメリカやロシア、中国のような巨額を投ずる宇宙開発とは別に、今回の日本のような、コストをあまりかけずに、技術力でこれだけの宇宙開発と研究が進むのだと言う、良い例を世界に示すことができたことは嬉しい限りである。今後とも日本の「クールジャパン」と言えるような宇宙開発に大いに期待したい。
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