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2022-03-12 21:11
ロシアの対ウクライナ侵略戦争に関する基本的課題
橋本 宏
元駐シンガポール大使
国際政治・経済・社会・安全保障問題の学者・研究者は、ロシアの対ウクライナ侵略戦争を巡る基本的な以下の二つの基本的課題について、認識を共有すべきです。
第1に、今後の国際新秩序のあり方については、どのように多くの欠陥があろうとも、現国連体制を離れた議論には現実性がないことです。これから、いろいろな提案がフロートされていくことでしょうが、米・中・日・ロ・EUなどを含む新たな国際組織や欧州を対象とした新たな枠組みを考えることは徒労に期すでしょう。国連発足時の一連の国際機関の基本を踏まえた上で、今何ができるかについて、知恵を絞ることが、民間学者・研究者の役割であると考えます。例えばglobal organizationsとregional organizationsの相互結びつきをレビューし、どこか具体的な改善措置を講じることができるかどうか、知恵を絞ることが考えられます。
第2に、外交手段を通じて「プーチンなきロシア国家」の実現を図る方途について、知恵を出すことです。例えば、国際司法裁判所、国際刑事裁判所などに対して、バイデン大統領提唱の民主主義サミット参加国のすべてが、プーチン大統領による関連国際法違反を訴えることが考えられます。「プーチンなきロシア国家」の実現は、時間の要素が介在することもあり、NATOによる武器支援の適切性の継続と、多くのウクライナ国民の犠牲を伴うことになります。これは非常に難しい命題ですが、世界戦争を招来せず、プーチン大統領が政権を離れざるを得なくするための知恵を是非とも出していくことが求められます。
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