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2022-11-17 13:54
めぐみさん拉致で新情報
荒木 和博
特定失踪者問題調査会代表
11月9日付「新潟日報」に「『北の疑い』伝え捜索要請 めぐみさん拉致の翌日 当時の署長、航空隊員に」という記事が掲載されました。内容は次のようなものでした。
拉致翌日の昭和52年(1977)11月16日夜、当時の所轄新潟中央署の松本瀧雄署長(故人)が県警の航空隊員に電話して「この事件は北朝鮮の疑いがある。その観点で見てくれ」と要請したそうです。結果的には何も見つからなかったとのことですが、所轄の署長が指揮命令系統の異なる航空隊員に直接電話するというのは異例です。
これは前から言われていたことですが、松本署長は11月15日夜、めぐみさん失踪の第一報を受けたとき「機動隊を出せ」と言ったそうで、実際翌朝には県警の機動隊が現場近くの松林などで大規模な捜索をしています。通常の誘拐なら警察の動きが目立たないようにするのが当然です。一つ間違えば被害者の生命まで危険にさらされる可能性があったのに、あえて松本さんがそれらの動きをしたということは、元県警外事課長という職務にあり、確信を持っていたからなのでしょう。
松本署長は平成20年(2008)11月15日、集会に参加するために新潟市を訪れた横田夫妻に「いなくなったときから、あの人たち(北朝鮮工作員)の仕業だと思っていました。ずっと表に出せず申し訳ありませんでした。私が生きているあいだに伝えたかった」と語っています。ちなみにこの場には大澤孝司さんのお兄さんで前特定失踪者家族会会長の大澤昭一さんも同席していました。
横田めぐみさん失踪が当初から北朝鮮による拉致だと分かっていたのではないかということについては調査会特別調査班が調査し、私も著書『北朝鮮の漂着船』(草思社)の中で書いています。ご家族が知る20年後まで、なぜこの事件が封印されていたのかについてはもう一度検証が必要です。おそらく松本さんは「拉致」として捜査や救出への動きが進ようにしたかったでしょう。それができなかったのは、おそらくずっと上、警察庁というより官邸レベルの方針があったからだと思います。しかし日本国内で国民、とりわけ家族に情報を隠しておいて、「全拉致被害者の即時一括帰国」など夢物語でしかありません。
それにしても、45年経ってからでもこういう情報が出てくるのですね。新潟日報の関係者の皆さんに敬意を表するとともに、私たちも諦めてはいけないと痛切に思います。
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