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2024-03-05 11:33
日本のGDP第4位に
船田 元
衆議院議員
昨年の各国のGDP(国内総生産)の数字が先日発表されたが、日本はアメリカ、中国、ドイツに続いて第4位に下がった。2010年には中国に抜かれ、昨年遂にドイツに抜かれた形である。足元の円安の影響もあるが、日本国民にとっても私にとっても、かなりのショックを受けざるを得なかった。
日本の世界の中における地位の低下は、他の分野でも見られる。例えば科学技術分野での引用論文数は、2000年代は世界第4位だったものが、2020年代には12位に低下してしまった。第三者に引用される論文はそれなりの価値を持つものだが、このまま手を拱いていると隣国の韓国にも抜かれるとも言われている。このような順位の低下は日本の名誉ばかりでなく、国民生活の今後の状況にも影響を与える。これ以上の低下を招かず、国民生活を守るためにも、日本国内の制度や仕組みを総点検して、適切な改善を求めなければならない。
具体的には先ほども述べたが、引用論文数を増加させるため、科学技術予算の改善を考えるべきだ。論文数の伸び悩みは、主に若手研究者の力が弱まっていることに起因する。かつての日本は大企業がそれぞれ研究所を抱え、大量に研究者を雇っていた。潤沢な研究費で数多くの論文が書かれた。それがバブルの崩壊などにより研究所の閉鎖、研究者の雇い止めを招いた。そのような研究者は、本来は国公私の各大学が受け止めるはずだが、大学側も国立大学運営交付金の削減などにより、若手研究者のポスト、受け皿が減少してしまった。アメリカや中国、韓国などの大学や研究所、企業に流出することとなってしまった。誤解を恐れなければ、まさに敵に塩を送る行為になってしまった。
私は今、国立大学運営交付金の減少に歯止めをかけ、科学研究費補助金の増額や基金化を行い、若手が使い勝手の良い研究費を提供するべく、努力を続けている。また大企業の収益力は向上しているが、中堅、中小企業の生産性はまだまだ低い水準にある。彼らに科学技術の恩恵を早く浸透することや、DXの実装による生産性の向上に努力していきたいと思う。
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