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2024-11-19 14:45
少数与党の心構え
船田 元
衆議院議員
今から30年前、私は細川連立内閣と羽田孜内閣において、当時の新生党・政務幹事(国対委員長に該当)を経験した。細川内閣は当時「8頭立ての馬車」と呼ばれたように、非自民非共産の8党会派が寄せ集まって、とても複雑な与党内の運営をしていた。しかし過半数を維持していたから、時間はかかったが重要案件はほとんどこなすことができた。
しかし当時の小沢一郎・新生党幹事長が8党を無理やり統一会派にしようとして反感を買い、当時の社民党や新党さきがけが与党から離脱して、羽田内閣では少数与党になってしまった。その時は細川元総理の不祥事に対する予算委員会証人喚問をはじめ、あらゆる案件が自民党をはじめとする野党側の言いなりになって、最後には内閣不信任案が可決されてしまった。
羽田内閣は衆議院解散でなく、内閣総辞職を選択したが、その後の首班指名選挙で我々は海部俊樹元総理を担いだものの、自民党などが社民党の村山富市氏を担いで、新総理に選出した。まさに政界のウルトラCを仕掛けた当時の自民党に完敗したのである。今の我々の自公連立政権は、あの時の少数与党と同じ構図になっているが、少し違っているのが国民民主党と何らかの協力関係が築ける可能性を残していることだ。この「少し」がとても重要で、彼らとの連立は無理としても、せめて閣外協力くらいのところまで行ければ御の字である。
去る11月7日には、衆議院選挙後初の両院議員総会が開かれた。石破総理をはじめ執行部の責任を追及する意見もあったが、党内の団結によりこの難局を乗り切ることに力を尽くすべきとの意見が大宗だった。私もトップバッターとして、少数与党の悲哀や無力さを切々と述べ、当時同じ経験をした石破総理も盛んに頷いてくれた。今現在、国民民主党から要望を受けている年収103万円の壁の引き上げやガソリン税のトリガー条項凍結解除などは、大幅税収減に直結するため、そう簡単に責任ある結論は出せないが、これまでの与党自民党の理屈を押し通しては、いつまで経っても少数与党にとどまってしまう。理屈を超えた大胆な妥協が必要な時ではないか。
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