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2007-12-19 10:39
もんた君、言いたい放題もほどほどに
杉浦正章
政治評論家
海上自衛隊のイージス艦「こんごう」が米ハワイ沖で海上配備型の迎撃ミサイルSM3の発射実験を初めて行い、迎撃に成功した問題は、北東アジアの軍事バランスを一段と日本に有利に導くことは確実だ。少なくとも北朝鮮の暴君が、日本に核ミサイルを撃ち込むことをちゅうちょする材料になるだろう。ミサイルの最初の一撃に失敗すれば、北は日米両軍による報復攻撃で国家の体をなさなくなるからだ。中国も軍事技術の差を意識し、対応に乗り出すだろう。
2012年度までに開発・整備費として8000億円から1兆円という莫大な予算が必要なことなど、国論を分ける問題も多いが、まさに戦後の国是とも言える専守防衛の見本であり、枕を高くして寝るための必要経費と見るべきだろう。
驚くべきことに、全国放送として影響力を持つTBSは、これに真っ向から反対するのだろうか。言論は自由だが、今朝の「みのもんたの朝ズバッ!」はなんと10分近くも反対論を展開した。みのもんたは「こんなことやる馬鹿がいるかと言いたい」と自分を棚上げにして実験を馬鹿扱いし、「そういうものに金をかけるのなら、日本国内に金をかけなきゃならないものがたくさんある」と見当違いの議論を展開した。コメンテーターたちも、御説ごもっともで、かしこまって聴いていた。
「みのもんたの朝ズバッ!」は『朝日新聞』から社説で「こんな番組やめてしまえ」と言われるなど、いろいろ報道上の問題を起こしている。国家安全保障上の問題は、国論が二分して結構だが、公共の電波を使った放送で、視聴率の高い番組の司会者が、はじめから結論ありきというのはいかがなものか。
忘れもしない、北がミサイル実験をした2006年7月5日早朝の番組で北を激しく批判し、コメンテーターに「これは宣戦布告だ」と言わせたのは、ほかならぬみのもんただ。まぎれもなくそうした感情の延長線上にあるのが、今回のハワイ沖実験である。要するに、みのもんたは学習能力に問題がある。前の餌をつつくニワトリ並みの学習能力しかないとしたら、茶の間に入り込んでくる資格はない。安易な正義感を振り回し、言いたい放題も、ほどほどにしてはいかが。
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