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2026-10-19 12:12

中国との関係多大なオーストラリア 最近には北京語得意な連邦首相も存在

山田 禎介 国際問題ジャーナリスト
 「何でもありの香港」と「オーストラリアの中国人脈」は、かつて取材活動で勝手よく知った舞台であり、「F35の機密部品はなぜ香港に行ってしまったのか?」とする宇田川敬介氏の論を興味深く読ませて貰いました。加えてF35の航空自衛隊での現状運用では、極端に言えば旧海軍の指揮統制の混乱が主原因だったかの日のミッドウェー海戦大惨事の例と比較すれば、「有事の際」が取り沙汰される今日では、相似系ともいえる混乱にもなりかねない懸念があることも指摘したい。

 英植民地以来、「何でもありの香港」は1997年の割譲・租借地の一括中国返還後も、旧清朝からの商習慣取り引き闇部分は依然変わらず。またオーストラリアについては、マンダリン(北京語)を流暢に操るラッド元連邦首相がいたし、ラッド氏の出身地クインズランド州は、ゴールドラッシュとサトウキビ栽培時代から多数の中国人が労働力で受け入れられ、また押し寄せた。中国系の多くがオーストラリア社会に同化している。いまでは中国系は全土約120万人で、総人口の5%を超えていると言う。

 また時代は飛ぶが、海外取材時代に宿泊したシドニー・ヒルトン中華レストランの店主は神戸の生まれ育ちの華僑で現シドニー事情を、もちろん日本語で詳しく教えてくれた-----「F35の機密部品の香港行き」の当局発表も表向きの感で、真相はやぶの中だ。近年オーストラリアで中国情報機関がらみの事件が起きているのも事実だし、歴史的土壌からF35機密部品問題に、中国系が何やら関わっていると見る向きがあってもおかしくはない。

 話は次に飛ぶが、米戦闘機F35には3つのパターンがあり、空軍用がF35A、上陸支援の海兵隊向けがF35B、さらに海軍用だが、もっぱら巨大空母運用の米海軍が使用するのがF35Cとなる。米英のほかイタリア、ノルウェー、イスラエル、オーストラリア、日本などがF35を運用している。航空自衛隊はF35A とF35Bを保持している。短距離&垂直離着陸の F35Bは、海上自衛隊の事実上軽空母の護衛艦いずも型に搭載される予定。ところがこのF35A/Bのいずれも、空自パイロットが搭乗。護衛艦上でもF35Bは空自パイロットの操縦となり、整備は精緻高度なメカニズムのため、これも航空自衛隊で行う。

 同じくF35Bを導入した中堅国ならそれも許されようが、主要国ではF35Bはいずれも海軍、海兵隊の所属で、海軍パイロット、海兵隊パイロットがそれぞれ操縦する。空自パイロットによる艦上からの行動では、将来起こり得るとされる有事の際に混乱を起こさないのか、それが懸念だ。時代も状況もスケールも違うが、ミッドウェー海戦で旧海軍が空母4隻を失ったのは、米側にすでに暗号を解読されていたと同時に、指揮、統制で現場の混乱があったからだ。旧海軍空母艦載機は魚雷装備から、ミッドウェー島空爆への爆弾装備に転換、ところが米空母部隊発見で再々度、魚雷装備に転換の命令----その時代からは予測もつかない高度通信伝達時代の今日だからこそ、海上自衛隊の護衛艦に航空自衛隊所属のF35Bというのは、さらにまた指揮、統制で不測の事態を呼びかねないと思う。
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