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2008-07-25 16:57
自衛隊に外国人部隊を
北田徹矢
公務員
日本国際フォーラムのホームページでフォーラム内に「国家戦略研究会」が設置されたことを知りました。しかし、そこでの議論が兵制改革にまったく触れていないのは、気がかりでした。高齢者社会といわれる昨今、若い人材不足が懸念されます。特に、自衛隊においては、国内に限って人材を募集し、組織を編成してきており、若い人材の不足はいっそう深刻です。この先の定員割れが懸念されます。このままでは基礎的自衛力の維持も困難になるかもしれません。この問題は、自衛隊だけでなく、諸外国の軍隊でも、深刻な問題になっているようです。
若い人にどうやって自衛隊に関心をもってもらうか、知恵が要求されるところと思います。陸上自衛隊に限っていえば、大多数の下士官以下の兵隊の日常訓練は、もっぱらマラソンばかりと聞いております。このことを踏まえて考えるとき、若い人をひきつけるという課題には、厳しいものがあると思います。財政削減のおり、高給でひきつけるということも、実現にはほど遠いと推測します。そこで、自衛隊の隊員募集の一つの方法として、外国人隊員の採用を提言したいのです。外国人に門戸を開けた場合は、隊員の採用はよりいっそう慎重でなければならず、また入隊後の教育や不祥事を起こしたときの管理・処罰なども万全の態勢が求められるのは、もちろんのことです。
さらに言えば、外国人部隊での教育は英語でおこなうようにすることも一案です。訓練を含めて英語に統一するのです。むろん、教官の英語力の問題があり、海外の軍関係者に協力を呼びかける必要もあるかもしれません。残念ながら、自衛隊には語学に熟達した下士官はほとんどいないと聞いています。語学のできる下士官を育成し、英語を中心とした兵の運用が可能なようにすることも、課題ではないかと思うのです。その理由は、自衛隊の任務が国土防衛に加え、海外での平和維持も含むようになったことです。
21世紀の世界においては、海外での紛争解決や平和構築のために自衛隊が海外に派遣されることが増えることでしょう。派遣先が増え、隊員が払底してしまうことになるかもしれません。そのときに、海外に即応展開可能な部隊として、英語を命令伝達の手段にする外国人出身の部隊を編成しておくことは無駄ではないと思うのです。現段階では、突飛な提案であるとして一笑に付されるかもしれませんが、「国家戦略研究会」の冒頭挨拶で伊藤憲一理事長が「タブーやムードから自由な、結論先行でない議論をしたい。『考えられないことを考える (To think unthinkable)』のが戦略論だ」と言っているように、「考えられないこと」も頭の体操として考えておく必要があると思うのです。
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