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2006-06-02 19:41

歴史認識、靖国問題で気になった点

島崎友江  教員
 第28政策提言「変容するアジアの中での対中関係」に関する「第3回政策委員会メモ」を興味深く読みました。

 ただし、政策委員会で「ドイツと日本の違い、ヒトラーと東条の違いをもっと説明し、分かってもらう必要がある」との意見表明があった由ですが、この意見には、違和感を感じました。日本の支配がナチス・ドイツとは異なろうとも、中国を侵略したのはドイツではなく日本であり、これは問題のすり替えのように思えます。これは強盗が「あっちに入った強盗は被害者を10発殴ったけど、俺は5発しか殴っていない」というのと変わりません。

 しかし、その後の「日本が中国と外交戦を戦う場として靖国神社は不利な戦場だ。(中略)靖国という戦場にはいつまでも固執すべきでない」という意見は的を射ていると思いました。靖国参拝は中国、韓国だけでなく、太平洋戦争を知るアメリカの退役軍人も反発しているといいます。やはり靖国参拝は国際的理解を得られる行為ではなく、誤解を招く行動であり、国益を損なってまで固執する価値はありません。

 また、「非宗教的追悼施設の建設」が提案されているようですが、この提案は非現実的ではないでしょうか。靖国にしろ千鳥ヶ淵にしろ、そこには戦没者が祀られているからこそ参拝する意義があるわけです。また広島の原爆ドームはまさに原爆の被害の象徴です。そこには戦争の記憶があります。しかし戦後60 年も経過してから建設された追悼施設に、参拝する意義を見出すことができるものでしょうか。

 「第3回政策委員会メモ」は、簡にして要を得た軽い筆致で、靖国神社参拝や、遺棄化学兵器の問題について、政策委員会の議論の雰囲気を私どもに伝えてくれます。この「メモ」こそは、日中関係をここまでこじれさせてしまった小泉総理にぜひ読んでいただきたいものです。
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