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2010-04-27 12:42

日本は支援戦闘機の国産・開発を考えよ

四条秀雄  不動産業
 私は以前の投稿でF-4戦闘機の代替の新型戦闘機にユーロ・ファイターを推した者ですが、それから少し調べてみて、考えを改めたことを書いてみたいと思います。日本の航空自衛隊は、F-4代替のF-Xに米国の最新鋭戦闘機F-22を希望していたとのことですが、私は冷戦が終わった現在では、米国が日本に当時最新鋭のF-15やイージス艦の輸出をすることは難しいだろうと考えています。最新鋭の兵器をどの国に与えるのかということは戦略性を帯びていて、例えばF-15は、イスラエル、サウジアラビア、日本そして近年になって韓国やシンガポールが保有しています。これらは米国にとって重要な国なのだということの証明ですし、F-35は欧州大陸を取り囲むように共同生産国トルコ、イタリア、ノルウェー、オランダ、デンマーク等が位置しています。

 そして最近の兵器は、ソフトウェア化が非常に進んだために、非常に排他性が強い性格を持つようになっていることも重要です。今までのようにF-15を日本やイスラエルで改造して、とかいうことが難しいのです。イージス艦なども一部で日本製のセンサーをつけるというようなことが難しい。センサーが変わるとソフトウェアの判断過程に影響を及ぼしてしまうからです。これは、パソコンがWINDOWSで独占されるとか、携帯音楽ツールがiPodで半独占されるとか、そういうことと同じ現象が、兵器でも起きているわけです。将来的には数カ国数地域しか兵器を作れなくなるようになると思いますし、おそらく米国が圧倒的な状況になるでしょう。

 問題は、米国と中国の間にあるという日本の地理的な状況と、米国製兵器の圧倒的な状況が、ある種のズレを引き起こしているということです。中国は永久に隣国であり、国内に在日中国人を100万近くも抱え、中国の大規模な世界経済史的リバランスを迎えているという点で、日本は米国寄りだが中立的である立場を取らざるをえないということです。そして、その曖昧さに韓国が入り込むということです。韓国がF-15やイージスを保有するようになったことや、米韓FTAや欧韓FTAは、その構造を反映していると思います。


 この政治中立的な状況と兵器体系のアンバランスを埋めるには、米国製には追いつかないにしても、ある程度は国産兵器で埋め合わせるしかないのではないかと考えます。幸い、日本はハードとソフトの一体化した兵器を作れる能力のある国の一つです。海上自衛隊のFCS-3や航空自衛隊のF-2戦闘機の飛行制御と戦闘システム・ソフトは、米国製からすれば玩具のようですが、軍事政治的には用を成すレベルにあるのではないかと思います。日米同盟は継続されなければならないと考えますが、最高水準の兵器は手に入らないし、下手をすると韓国向け以下になる可能性もあります。それを考えると、保険として国産戦闘機を開発しておくのが良いのではないかと考える次第です。
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