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2013-12-29 12:04

(連載)安倍総理の靖国参拝を考える(2)

平林 博  日本国際フォーラム副理事長
 外交的には、中韓との首脳会談がさらに遠のくのみならず、両国からの各種の反日言動が増えるであろう。しかし、安倍総理が1年有余、首脳会談を呼びかけてきたにもかかわらず、中国はこれを無視し、さらには中国艦船による尖閣諸島の領海および接続水域への挑発的な侵入を恒常化させ、挙句の果てにはわが国のそれと重なるような防空識別圏を設定し、しかも公海上空であるにもかかわらずそこへの飛行につき事前の許可を申請するようを求めてきた。

 韓国は、任期末期の李明博大統領による竹島上陸に加え、天皇陛下に対し「訪韓したいのなら日本占領の犠牲者の前で跪け」などの侮辱的発言をして、日韓関係を悪化させた。朴槿惠大統領はかつて日韓関係正常化を実現した朴大統領の娘であるので、関係改善が期待されたが、就任以来反日言動を繰り返し、諸外国首脳との会談でも日本の陰口を言いまわっている。首脳会談に応ずるどころか、オリンピック招致の決戦投票前日には、東京招致を邪魔するがごとく、これ見よがしに福島等数県からの水産物の輸入禁止措置を発表した。ちなみに、水産物のない栃木県産品まで禁輸対象になったのは、「お笑い」だ。最近では、南スーダンでPKOに従事している韓国軍から、現地の日本の自衛隊司令官に対し弾薬の緊急融通を打診された。政府は、在京韓国大使館からの正式な要請を待って、「武器禁輸政策」を敢えて柔軟に解釈し、無償提供した。ところが、韓国の反応は、「弾薬は余っており、日本から借りる必要はなかった」(国防省)、「支援は国連に頼んだのであり、それ以下でも、それ以上でもない」(外交部)」と、評価するどころか、「後ろ足で砂をかける」様な反応であった。これが今の韓国なのである。

 靖国参拝に戻れば、安倍総理の参拝決意は、こちらからの色々なアプローチや発信にもかかわらず、中国も韓国も日本批判を強めるばかりなので、信念を曲げて自制してきた靖国参拝について「これ以上待つ必要はない」と判断したのであろうと推測する。総理自身は、勿論そのような発言はしていないが、心情は推し量れる。

 あとは、総理自身が言っているように、国民に対してのみならず、世界に対して、靖国神社の何たるかをよく説明し、参拝した自分の真意、とくに「今日の平和国家日本があるのは、尊い生命を国にささげた英霊のおかげであることを感謝し、今後の平和への誓いを告げた」ことを繰り返し発信するべきであろう。(つづく)
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