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2014-05-06 19:09

(連載2)集団的自衛権をめぐる議論に関して

宮崎 厚  ベンチャー企業顧問
 もちろん、自国の主張を通すために他国と戦争することを主権国家の権利として認めるいわゆる無差別戦争観は、今日の日本とは無縁です。しかし、お隣の共産党独裁国家の中国政府は、この前時代的な戦争観を放棄せず、軍拡路線と覇権主義に基づく「大国」世界観を立てて、これを「中国の夢」と称して世界中に振れ回っています。恐ろしいことです。

 理解できないのは、集団的自衛権の行使容認に反対している日本の学者や専門家の方々が、日本が自衛のために軍事力を持つのは、それによって戦争を防ぎ平和を維持するためである、つまり戦争を「抑止」するためである、ということを無視していることです。日本はもはや、政治体制が違うからと言って他国に戦争を仕掛ける国ではありません。

 集団的自衛権の行使を容認する解釈に対して「事前に歯止めや制限が必要だ」とする意見があります。「権利はあるが、行使できない」という主張もあります。ともに理解できません。権利を行使するかどうかは、日本への影響、人道的見地、外交的正義などの観点から諸状況を総合判断して、権利主体が決めることであって、他人が決めることではありません。他人が決める、あるいはそもそもあらゆる状況下で行使は許されない、というのであれば、権利者はそもそもその権利を持っていないということになるのではありませんか。自分で自分の権利行使に制限を設けるのは、実質的にはその権利を放棄するということと同義です。又、集団的自衛権はあくまでも「権利」であって、他国から要請があればどのような状況下でもこれを行使しなければならない「義務」ではありません。

 最後に「近隣諸国の理解(許可)を得よ」と主張する方々は何を考えているのでしょうか。戦後60年以上にわたって反日教育を行い、国民を反日一色に染めている中国、韓国、北朝鮮の理解(許可)を得ないと、自衛のための権利すら行使できないとは、どういう意味なのでしょうか。反日と理解(許可)の両立は不可能です。彼らと戦争にならないように確かな抑止力を構築するのが物事の順序ではないでしょうか。近隣諸国に集団的自衛権行使の承認を求める前の問題だと思います。(おわり)
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