国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2015-05-21 18:55

(連載1)68回目の憲法記念日に思う

船田  元  衆議院議員
 さる5月3日は憲法記念日であった。68回目になる。しかしこれまで一字一句たりとも改正はなされていない。私は自民党憲法改正推進本部長として、国民自身のための憲法改正について、思いを新たにして取り組んで行くつもりである。まず改正議論の前提となる憲法観だが、私たちは現行憲法は戦後のGHQの影響下で制定されたという、歴史的事実は否定出来ないと考えている。しかし平成17年の衆議院憲法調査会報告書では、「そのことばかりに拘泥すべきではない」という意見が多数を占めたことも、大切にしなければならない。

 一方、70年近くにわたり我が国のかたちを築いてきた現行憲法は、既に国民生活に定着したものとなっているが、この間の国内外の情勢が大きく変化する中、現実と乖離した条項が指摘されていることも事実である。また新たに付け加えるべき案件もある。憲法を改正出来るのは主権者たる国民であり、国民を代表する国会だ。時代にマッチした前向きな改正を議論し結論を導き出すことは、国会に課せられた重要な責務である。

 さて「政府の統治を憲法に基づき行う原理」あるいは「憲法は権力を縛りつけるもの」という「立憲主義」の思想は、憲法の役割を考え、憲法改正を考える際の重要なベースであることは、論を俟たない。常にこの立場を踏まえなければならない。しかし同時に、日本国の憲法としては、我が国の国柄や国のかたち、さらには国民としての規範や理想を表現することも、大変重要な課題である。これらは決して立憲主義と対立する概念ではない。諸外国の憲法を見ても、幾つかの国では国家統治の理念や、キリスト教国では神への言及など、国柄を表記する部分は少なくない。

 次に今後の改正の議論における基本原則を確認しておきたい。第一は、我々は何でも改正出来るというのではなく、改正限界が存在するということである。具体的には三原則と言われる国民主権、基本的人権の尊重、平和主義だ。これは言うまでもなく人類普遍の原理であり、何人も侵すことは出来ない。(つづく)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム