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2007-02-20 14:52

連載投稿(2)2段階方式での決定を提案する

角田勝彦  団体役員
 しかし、G4案は多少修正しても採択されそうにない。アフリカが新常任理事国への拒否権付与を主張したのを別にしても、自国が含まれないことを不満とする国やG4のいずれかを好まない国がこぞって反対する結果を招いたのである。さらに米国は安保理が大きくなりすぎると反対している。我が国は、昨年1月に独、ブラジル、インドがG4案とほぼ同じ案を国連に提出したのに「米国が反対しており採択は困難」との理由で参加を見送った。 

 これまでの経緯から、我が国がG4案とまったく離れた案を出すことは困難である。 そこで提案したいのは、G4案(及びその修正案)を単に安保理拡大案及び候補国決定案として提出し、実際の常任理事国決定は次の段階で行うこととする案である。

候補国には拡大枠を超える数の国を含めても良い。つまり、アジアでは日本とインドのほかパキスタン、韓国を、ヨーロッパでは独のほかイタリアを、中南米ではブラジルのほかメキシコ、アルゼンチンを、アフリカではエジプト、南アほかを加えて良いということにするのである。これならコンセンサス・グループの反対も和らごう。 第二段階では各候補国が別々に審査される。得票順で地域枠に入らない国は落選するし、総会と安保理で必要な票数を得ることが出来ない国(拒否権を発動された国を含む)も常任理事国になれないことになる。新常任理事国も拒否権を持つ案であれば、当選はより困難になる。アフリカも再考しよう。

 もちろん、これは一試案である。政治がいかなる行動をとるかの準備は、外務省を中心とする事務当局の仕事である。腕の見せ所である。期待して具体案を待ちたい。

 なお、かってG4案推進に際し、小泉首相がブッシュ大統領に直接交渉することを期待する声があったと聞くが、米国の事前の反応から見て、首相の出番ではなかった。安倍首相は、この1月、モンゴルのエンフバヤル大統領と電話会談し、2009年からの安保理非常任理事国の選挙に、モンゴルに代わって立候補することで合意したと報じられる。結果は良いが、やり方にはもっと留意することが必要だろう。(おわり)
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