国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2016-03-28 17:53

「民富んで、国栄える」であるべき

赤峰 和彦  自営業
 消費税増税に慎重論が出ている中で野党は、「消費税増税の先送りは選挙目的」「政策がころころ変わる」などの批判をしています。しかし、消費税増税で日本経済がどうなっていくのかという本質的な議論は見られません。消費税増税問題が単に政党間の駆け引きの材料になっていることを残念に思います。他方、消費増税を積極的に推進しているのは財務省です。財務省は「国の借金は将来世代へツケを残すから増税すべき」という考えです。財務省の増税やむなしの観念は強く、与野党を問わず多くの政治家に影響を与えています。また、マスコミも財務省資料に基づいて経済記事を書くため、財務省の強い影響を受けています。経済評論家も然りです。政治家もマスコミも評論家も財務省の考えの受け売りになりがちです。

 財務省の見解は、主として財政にかかわる数値資料に依拠しています。最初に国民の立場で物事を考えているわけではありません。だから、国の財政が赤字になったら、増税して埋めればよいという発想となります。この発想では、結果的に国家と国民を対立する関係で捉えがちになります。国家は国民を統制しなければならないと考え、国民の豊かさの論議は後回しにされてしまいます。財務省の話だけを聞くと、日本経済に対して危機感を抱きますが、国の借金の中身を見ると、外国に多額の借金があるわけではなく、国民が国にお金を貸しているだけの状態です。家計でいえば、よその家に借金しているのではなく、家族間で貸し借りをしている関係にすぎないのです。しかも、日本の対外純資産は、2014年末で約367兆円あり、世界最大の債権国の地位は変わりません。

 消費税の増税をせずに税収を上げる方策として、例えば、公共事業への大胆な投資があります。公共事業は国民の生命、財産を守る極めて重要なインフラ整備であるとの考えに基づき、積極的財政出動をして国民を先に富ませることで、日本を豊かにする方法です。インフラ整備に思い切った公共投資をすることで名目GDPが数倍になり、それにともない税収が増え、公共投資分のお金は税収で回収できます。実際、国民が豊かになると、消費活動が活発になり、景気は上向き、経済活動は好循環を生み出します。その結果、国家の税収が増えることになります。これはほんの一つの例ですが、政治家の皆様はもっとさまざまな方法を研究していただきたいと思います。

 国家は国民の存在があってはじめて成り立ち、国民は国家という枠組みの中で平和と安全を享受できるという不可分の関係にあります。そのため、国家は常に国民の発展と幸福のために何をなすべきかを考え、また、国民は国家の繁栄のために寄与する、という関係性を強く築いていくことが、明日の日本を発展させます。「民富んで、国栄える」ということをくれぐれも忘れないでいただきたいと思います。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム