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2007-03-16 15:37

連載投稿(2)核兵器の悲劇を伝えることが日本人の宿命

藤原宣夫  日本国際問題研究所評議員ほか団体役員
 最近、私の目に留まった二つの論文を紹介しよう。

 今年始めのウォールストリート・ジャーナル紙にキッシンジャーを始めシュルツ、ペリー、ナン氏などのアメリカの知性を代表する有識者が、すべての核兵器保有国の完全な核兵器廃絶を提唱し、8つの具体策を提案している。内容は紙面の都合でここでは省略する。

 もうひとつは私の畏友である寺島実郎氏(三井物産戦略研究所長)の『世界』1月号の「軽率に核保有を議論してはいけない理由」との趣旨の論文である。第一に、日本は国際ルールに準拠して半世紀以上かけて確立した原子力平和利用(現在日本の電力供給の35%が原子力)に関する模範生であること、第二に、9・11以来の非対称の「新しい戦争」の局面を迎えて「核抑止論」が無効となってしまった現在では、自国への攻撃リスクを極小化し、核を実際には「使えない兵器」にしてこそ、思慮深い安全保障戦略であること、を主張しておられ、私も全く同感である。

 くどいようではあるが「ヒロシマ・ナガサキ」におけるあまりにも不条理な無差別大量虐殺の悲劇を見据えて来た私どもは、その悲劇を伝え、世界の先頭に立って核兵器全面廃絶運動の旗を振り続けねばならない。(おわり)
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