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2007-03-23 12:03

援助外交を戦略的に行なうべし

塚崎公義  久留米大学助教授
 2007年3月14日に坂本正弘氏が寄稿しておられ、中国がアフリカ諸国への援助により国連でのアフリカ諸国の投票などに影響力を行使している旨を記しておられる。もとは当時台北が有していた国連安保理常任理事国の地位を北京が獲得するための手段であったが、その後資源外交や日本の常任理事国入り阻止などにも効果を発揮しているとのことである。氏は2006年9月13日の寄稿「『中国病』へどう対応するか?」でこれを「中国病」と批判的に評価しておられるが、見方によっては援助を戦略的に用いる御手本であると言えないだろうか。

 日本が莫大な援助予算を用いながら、常任理事国入りの投票で賛成票を集めることが出来ず、中国の反対運動が奏効したということであれば、中国を批判するよりも日本が反省すべきなのかもしれない。拙稿(2006年8月11日付「ODAと日本の国益について」)では、ODAを国益のために用いるべきであると記したが、中国にそれが出来て日本に出来ないということでは、今後の覇権争いにも大きな影響が出るであろう。

 坂本氏によれば、中国は買収外交も行なっているようであり、これは決して真似てはならないが、買収なしの援助だけで類似の成果を得られるよう、是非とも戦略性を持って努力して行くべきであろう。
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