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2023-01-20 12:14

核戦争を前に各家庭に防空壕を作ろう!

伊藤 洋 山梨大学名誉教授
 「ロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射を受け、政府・与党が、核攻撃を想定した『核シェルター』普及に向けた検討を加速させている。自民党有志が今月、『シェルター議員連盟』を設立し、政府は課題を洗い出すため、海外の整備状況などの調査を実施中だ。国際的に出遅れていたシェルター整備は進むのだろうか」(毎日新聞2022/12/28)
 
 さかんに報じられるウクライナ戦争報道。そこに映し出される大きく破壊された市街と建築物。廃墟と化した市街にあって、それでも厳寒と停電の中、市民の住まいが最低限確保されているらしいのは、この国で公共建築物はもちろん民家に至るまで地下シェルターが用意されているからであるらしい。
 
 そういえばゼレンスキー内閣もまた高層ビルの最上階で執務しているのではなく大深度の地下防空壕で采配を振るっているのであるらしい。そして、こういう構造こそ戦争、殊の外に「核戦争」を現実味のあるものとして東西冷戦時代を過ごしてきたソビエト連邦の政治文化であったのだと鳥肌とともに筆者は感じ入っている。
 
 ひるがえって世界広しと言えども核の洗礼を受けた唯一の人民たる本家ニッポンにはシェルターなるものが皆無である。核攻撃の第一標となるはずの東京では、都民1千万の命を守るシェルターなどわが政府は想像したことすらなかったというのが実態である。まして、残りの1億の民は爆撃の前でまるでガラス張り状態に置かれている。
 
 この現実の最たる証拠が、昨秋10月4日、北朝鮮が発射した弾道ミサイルが青森県上空を通過して太平洋に落下したときのこと。政府はJアラートを発信し、首相官邸や青森県庁は「建物の中または地下に避難してください」とツイッターに投稿したそうだが、ネット上では「青森に地下はありません」「どうすればいいのか」など政府側の呼びかけの実効性を問う声が相次いだという。
 
 しかし、ここへきて岸田政権は「盾」では守れない「矛」で「先制攻撃だ!」と恐ろしいことを言い出した。仮に、対中国にせよ、対北朝鮮にもせよ、ニッポン自衛隊が発した「<トマホークによる>先制攻撃」が「成功」すれば、「敵」は奥の手「核」に手を着けるであろう。岸田首相の語る(騙る)スタンドオッフ(Stand-Off)攻撃とは、核爆弾を呼び込む誘蛾灯だからにほかならない。プーチンに核使用の邪心を思いとどまらせているぎりぎりの我慢は、ウクライナがStand-Off攻撃を我慢して自国4州内に攻撃を限定しているからにほかならない。しかし、その結果、ウクライナは満身創痍の破壊を受容せざるを得ない!
 
 ウクライナ同様、岸田政権が言う「仮想敵国=中・ロ・北朝鮮」はいずれも核保有国である。これ等を相手にしてスタンドオフミサイル=トマホーク=「矛」を配する以上軍事バランスを図る為には国内核配備まで考えなければ守備が一貫しない。「ニッポンの51州化」を完遂するためにも、岸田政権はアメリカ「本国」同様に各家庭に核防空壕を作らせるべきではないか??・・・はてさて、こんな憲法無視の国家に誰がした?
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