国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2023-02-06 12:57

重要政策遂行のための財源は? 〜防衛費と少子化対策費〜

船田 元 衆議院議員
 1月23日通常国会が開幕し、岸田総理の施政方針演説が衆参本会議で行われた。今後取り組むべき国の重要課題として、「異次元」「次元の違う」という形容詞を付けた子ども支援・少子化対策と、厳しさを増す安全保障環境を見据えた防衛費の大幅増額を掲げた。
 
 防衛費は5年間で43兆円、初年度6.6兆円、完成年度10兆円強を見込む。中身の積み上げは十分ではないが、GDPの2%相当というNATO基準から言って、妥当な規模ではある。一方、この4月からこども家庭庁がスタートするが、令和5年度の子ども対策費は1.6兆円、少子化対策費は3.9兆円だが、今年6月に決定する骨太方針までには、さらに大幅に増額される予定である。
 
 いずれも巨額の予算を必要としているが、その財源をめぐって既に自民党内では議論が熱ばんでおり、徹底した行財政改革や剰余金の活用、さもなくば増税か赤字国債発行か、意見が闘わされている。今後は予算委員会を中心に、国会でも議論が盛んになること必定である。
 
 私は子ども・子育て支援、そして少子化対策に関わる費用は赤字国債を中心に賄うべきと考える。子ども支援は将来世代への投資で、モノが残るのだから、建設国債と同様の考え方をしても良いのではないか。人口減少の軽減、場合によっては人口増加という国の資産として残るのだから。
 
 一方の防衛費増額は、今を生きる人々の責任、すなわち増税も加味して賄われるべきである。あってはならないことだが、一朝有事の際は国債を速やかに出せる状況にしておくことが望ましい。そのためにも平時においては、出来るだけ国債依存度を低くしておくことが肝要だ。また国債発行に頼る無秩序な戦費調達が、如何に悲惨な結果を招いたかを想起すべきである。
 
 税と国債の性格の違いから導かれる理屈を述べれば以上のようになるが、実際には政策遂行のスピードや安全保障環境の急変、税収の推移など、様々な要因によって左右され、理論的に綺麗に仕分け出来ないことは言うまでもない。しかし基本的には、この方向で議論が進めることが出来れば幸いである。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム