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2021-04-23 00:00
(連載2)日本の民主主義は大丈夫だろうか? ー新型コロナウィルス感染現象を追うー
畑 武志
神戸大学名誉教授
マスコミを中心に新型コロナの恐怖報道が日夜繰り返される中、冷静な判断力は失われ、事態の深刻化が増していくばかりであるが、そもそも感染を判断しているPCR検査自体に問題があることは既によく知られたことである(参照:拙稿
『民主主義が試される新型コロナウイルス対応 ーその後ー』
e-論壇「百花斉放」2021年01月26日付)。これまでCt値等の評価の見直しが必要であることについては、世界の専門家らの糾弾によってWHO(世界保健機関)も修正(2019年12月14日)せざるを得なかった。日本の国立感染症研究所でもかなり遅れてではあるが修正され、その後も検討は続けられている模様であるが、その修正は全国に広がったPCR検査の末端まで十分には徹底されていないと言われる(松田学前衆議院議員)。
その後多くの指摘がなされているように、PCR検査が感染症判定に適正であるかどうかも含め、議論が徹底されないまま、PCR陽性者数のみが、感染者数として発表され、社会不安が加速されてきた。民間を含め検査機関が増えるに連れて、測定結果の評価が重要になるが、陽性と判定された人の症状についての詳しいデータは明らかではない。100%隔離の必要な人びとであったのか、多くの疑問が出ている。PCR検査適用の基本についての議論が疎かにされたことから世界的な騒動が始まったともみられるが、台湾やニュージーランドの例を参考に末端での測定結果には数値だけでなくその内容について十分な検討も必要ではないだろうか。そうでなければ、多くのアスリートがオリンピックを目指し、自己を犠牲にして重ねて来ている努力まで水泡に帰しかねず、多くの悲劇が繰り返されかねない。
新型コロナウイルス感染症が指定感染症として、政令指定され(2020年1月28日)、二類相当のSARS、鳥インフルエンザはもとより、一類感染症のエボラ出血熱、ペスト等相当の取り扱いがされている。その結果、医療崩壊に至る状況を引き起こし、各地医師会等からも悲痛な声が発せられている。これまでの経過を見れば、一類、二類に相当するほど強力な感染症でないことは明らかであるから、指定変更の必要性が叫ばれている。にも拘わらず、政治は動かない。日頃感染対策について厳しい非難を浴びせるマスコミなら、その点についてこそ政府の怠慢を追求すべきであろう。PCR陽性であれば死亡者は新型コロナ感染死とされるとのことだが、今回の感染による死亡者数は例年のインフルエンザ関連死亡者数より少なく、欧米等に比し桁違いに少ない。
また、今年のインフルエンザ感染者数は例年に比し圧倒的に少ない。世界と比較した日本の状況についての正確な判断と対応が取られるためには、最新論文を逐一勉強されて現在の見解に至っておられる上述の専門家らの見解にも、例え少数意見であっても耳を傾ける必要があるだろう。真面目に努力する国民の声が無視されることなく、良い点があれば政治にも届くような包容力ある民主主義の国であることが期待される。(おわり)
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