アメリカの軍縮問題月刊誌『Arms Control Today』の最新号(2008年12月号)でオバマ大統領が核軍縮政策を一問一答形式で論じている。大統領に選出される直前のインタビューではあるが、方向性は明確に打ち出されている。「最大の目的は核兵器が使われないようにすることであり、核兵器保有もそのためである。新しい核兵器の開発は許可せず、核兵器の究極的廃絶を目標とし、CTBT(包括的核実験禁止条約)の早期批准を上院に働きかける。他方、今日の最大の脅威は核兵器物質がテロリストの手に渡ることで、その防止のための予算を増やし、PSIの強化などで他の諸国とも協力する。ロシアとの間ではSTART Ⅰが本年末に失効する前に実質的延長に合意する」等々である。当然のことながら、「核軍縮の失われた10年」を取り戻したい、との米国民主党の意気込みが伝わってくるようである。