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2009-06-22 09:32
(連載)個別事案に対する法相の指揮権を剥奪せよ(1)
角田 勝彦
団体役員
「政・官のあり方」が最近関心を集めている。たとえば6月17日の第2回麻生・鳩山党首討論で行われた鳩山代表の「官僚任せ」非難及び「政権とれば、日本郵政西川社長は解任」発言であり、また、郵便制度悪用に絡み厚生労働省村木厚子局長が14日逮捕されたが、これに民主党政治家の口利きがあったと報じられる問題である。
これらは、3月国会に提出された国家公務員法改正案に直結するのみならず、国のあり方を左右する大問題である。実施が合意された第3回党首討論(とくに「財源」問題)でも、作成されつつある与野党のマニフェストでも、各党の立場がより明らかにされていくことが期待される。民主党は、このほど訪英した菅氏を始め「政・官」関係見直しに熱心で、近日完成を目指すそのマニフェストに政治主導の内閣運営を確立するための「政権移行プラン」を含める由である。その関連で、一部で、見過ごすことが出来ない危険な「政治優先」の考えも主張されている。その芽を摘むために、法相の「個別事案」に関する指揮権は剥奪されるべきである。
すなわち、西松建設の違法献金事件を受けて民主党が設置した第三者委員会(飯尾潤座長)は6月10日発表した報告書のなかで「法務大臣は高度の政治的配慮から指揮権を発動し、あえて国民の判断にゆだねるという選択肢もあり得た」と記した。これは、三権分立の大原則を揺るがし、独裁にもつながりかねない恐ろしい発想である。「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」(憲法第15条)という憲法の理念を歪めかねない主張でもある。
これは、民主党側が小沢氏の第一秘書逮捕を「不公正な国家権力の行使」だとか「国策捜査だ」と批判していたのにつながるが、なぜ自民党関係は捕まえないのかとか、形式的な微罪ではないかといった、交通違反で摘発される運転者が言うような雑音的捨て台詞とは、訳が違う。(つづく)
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(連載)個別事案に対する法相の指揮権を剥奪せよ(1)
角田 勝彦 2009-06-22 09:32
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角田 勝彦 2009-06-23 09:35
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