ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
2009-10-08 15:35
(連載)首相はリオ五輪への支援を表明せよ(1)
角田 勝彦
団体役員
10月2日、2016年夏季オリンピックの開催地としてリオが選出された。ルラ大統領は「ブラジルは二等国から一等国になった」と涙ながらに強い喜びを表明し、数十万の市民がリオを始め全国で踊り狂った。1968年にメキシコ五輪はあったが、南米では初めてのリオ五輪を支持してきた南米・アフリカ諸国からの祝意表明も多い(たとえばベネズエラのチャベス大統領、キューバのカストロ前議長)。
他方、落選したシカゴ、東京及びマドリードの各地では、それぞれ失意を隠しきれない。本命と見られながら第1回投票でシカゴが落選した米国では、現職の大統領として初めて自らIOCに働きかけるためコペンハーゲンまで行ったオバマ大統領の政治力不足への批判も生じた。「米国や米大統領府の威信を傷つける象徴的出来事として残るだろう(10月5日付ウォールストリート・ジャーナル紙)」との論評もある。また「(オリンピック絡みの問題で)任期中悩まされ続けるより、数日笑われて終わる方がよい。11月に日本を訪れる際に鳩山首相と共通の話題ができたと思えばよい」(10月14日付ニューズウィーク日本版)との皮肉な論評もある。
日本では、市民の開催への支持率が、マドリードの84・9%、リオの84・5%、シカゴの67・3%に比べ、東京55・5%と低かったこともあり、土壇場でIOC総会での招致演説実施に踏み切った鳩山首相ほかに対する批判は少ない。好評だった15歳体操少女の招致プレゼンテーションを含め招致委員会の努力は、それなりの評価を得ている。
帰国便の機中で招致活動を応援した日本からの同乗ツアー客が「拍手してくれて、励ましてくれて、僕は泣いたよ」と述べた石原知事の気持ちもよく理解できる。それだけに、帰国後の4日の記者会見での同知事の発言は、不用意だった。(つづく)
>>>この投稿にコメントする
修正する
投稿履歴
(連載)首相はリオ五輪への支援を表明せよ(1)
角田 勝彦 2009-10-08 15:35
┗
(連載)首相はリオ五輪への支援を表明せよ(2)
角田 勝彦 2009-10-09 10:03
一覧へ戻る
総論稿数:5546本
公益財団法人
日本国際フォーラム