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2010-07-30 21:44
(連載)日印核協定は日本外交の歴史的転換か?(1)
河村 洋
親米・国際介入主義NGOニュー・グローバル・アメリカ代表
福田康夫政権の時期に、私は米印核協定と国内の反核感情の狭間にある日本の立場を注視していた。ブッシュ政権は核エネルギーでインドとの協調関係の強化を模索していたが、当時の日本政府はNPT非加盟であるこの国との核協力には消極的であった。しかし、日本では、よりリベラルだと見られている民主党政権になって方針が転換し、インドとの核協定の締結を決定した。戦後の平和主義が根深いことを考慮すれば、これは日本の外交および安全保障政策の劇的な転換である。しかし、不思議なことに、今年の7月11日に行なわれた参議院選挙では、日印核協定は重要な争点とはならなかった。
メディアは、日本の核不拡散体制参加に関する国民的な議論を喚起するためにも、この協定にもっと注意を払うべきである。日印核協定は、戦後の平和主義との決別と国際舞台でのより積極的な関与を意味するものなのだろうか?まず、この問題の全体像を述べたい。日本の岡田克也外相は「難しい決断を迫られたが、日本が世界の趨勢に逆らうことはできない」と語った。インドのマンモハン・シン首相がアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領との間で核協定に調印して以来、フランス、ロシア、モンゴル、カザフスタン、アルゼンチン、ナミビアといった多くの国がこれに続いた。イギリスも核エネルギーの平和利用の共同声明に調印し、インドとの二国間条約に調印した。今年の6月末にはカナダも続いた。さらに韓国もインドとの核協定に向けて交渉を始めている。
インドはNPTとCTBTに加盟していないが、世界各国のビジネスマンがこの経済成長著しい市場に注目している。さらに、ブッシュ政権は「世界最大の英語圏民主国家であるインドは、対テロ戦争の新たなパートナーである」としていた。岡田克也外相が「日本は世界の趨勢に逆らうことはできない」と言うことは理解できる。
問題は、日本が戦後の平和主義を刷新する外交政策の動きを何ら見せず、アメリカとフランスの強い要望に対応しただけだ、ということである。アメリカのジェネラル・エレクトリック社とフランスのアレーバ社は日本製の備品や部品を使って原子炉を建設している。また日立と東芝も有望なインド市場での競争に自分達が敗れるのではないかと懸念している。(つづく)
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河村 洋 2010-07-31 11:25
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