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2011-02-13 09:33
極東ロシア人にとって信頼可能な周辺国はどこか?
四条 秀雄
不動産業
ロシアは領土が広大すぎるために、様々な統治上の困難を抱えている。つい最近の報道では、ロシアは国内の時差の調整に取り掛かったと伝えられ、モスクワの時間に合わせるために、極東ロシアの住民が犠牲を強いられているということだ。このことから3つのことが分かる。
(1)極東ロシアが起きているときには、モスクワは寝ている。
(2)モスクワは、放置しがちだった極東部のコントロールに意識を向け始めた。
(3)調整の負担は、極東ロシアが負う。
人口密度に加えて、時差も問題なのだ。そして、この問題は技術ではどうにもならないので、政治経済的な意思決定に関して、分権制などの制度改革が必要なことを示唆している。いま北方領土や沿海州に投資が行われても、それは気まぐれなものであって、継続はしないだろう。制度がないから、継続は保証されていないのだ。従って、今回の時差問題と同様に、極東ロシア人の苦労は続くだろう。これは精神的・経済的・政治的荒廃を生んで、モスクワ方面への人口移動をますます増やすことになるだろう。情報化やグローバル化が進めば、この動きはさらに加速されるだろう。
仮りに分権的な制度改革が成し遂げられ、極東ロシアにおいて一定の自主的・継続的な投資が行われるようになったとしても、次の問題が発生する。一体、ロシアはその周辺国の中でどの国をアテにしたら良いのだろうか?モスクワが極東ロシアに一定の自主性を認め、分権的な意思決定を許しても、ロシアには信頼できる周辺国はあるのだろうか。極東ロシア人が経験的に信頼している周辺国とは、どこの国であろうか。中国か、日本か。答えははっきりしているのだ
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