確かにアルカイダという、これまでの戦闘方法では対処できない「ボーダーレスで前線のない敵」との戦いでは、新しい戦略が必要なのであろう。しかし、オバマ政権が手放しで賞賛するように「夜間襲撃」や「無人爆撃機」は効果的なのだろうか。また国際法上の問題もはらんでいることは確かだ。米軍のヘリコプターが墜落し、SEAL 隊員22人を含む38人が死亡するという最悪の事故が起こったが、彼らは「夜間襲撃」に向かう途上だった。この事実によって、アフガニスタンでは「夜間襲撃」がひんぱんにおこなわれているという実態が暴露されたのである。その実態は、9月19日にNGOの「オープン・ソサイアティ財団」が発表した「The Cost of Kill/Capture:Impact of the Night Raid Surge on Afghan Civilians」が詳しくレポートしている。