その兆候は1月12日、米国のThe National Interest のサイトに載った「米中関係の将来」と題する論文に見られる。筆者はDavid Gompertと Philip Saunders 。双方ともサイバー戦についての最高の専門家だ。彼らは、「中国が開発しているサイバー攻撃・人工衛星破壊能力は、他国の防衛能力を麻痺させ得る」と言う。つまり、中国が米国の人工衛星を破壊すると、米国は核ミサイルを誘導する手段を失う、ということだ。日本の安全保障にとっては一見、由々しき事態に見える。だが見方によっては、核の時代はいよいよ終わりを告げ、非核の技術力が防衛に大きく貢献できる時代が到来しつつあるということならば、それは日本にとって好都合のことではないか?日本は、サイバー戦をMD(対ミサイル防御)として利用する方法を開発していくべきだろう。