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2012-04-03 19:58
(連載)原発再稼働は慎重に(2)
角田 勝彦
団体役員
野田首相は、「福島事故は甘い想定に起因した」と反省を表明し、「非常用電源やポンプが水没する場所に設置された不備や、炉心損傷に至る過酷事故を想定した準備不足」を認め、テロ対策でも「想定外を想定する重要性」に言及した。国内での取り組みとして、(1)全電源喪失を想定した電源装置の増強、(2)高い放射線量のもとで事故収束への即応行動を可能とする放射線防護車など装備の充実、(3)警察と陸上自衛隊、海上保安庁と海上自衛隊の共同実動訓練実施、などを説明した。
今後とも各国で原発中心に原子力平和利用は推進されよう。本サミット共同声明は「福島第1原発事故を踏まえ原子力の平和利用に持続的努力が必要」と述べ、米原子力規制委員会(NRC)は3月30日、米南東部サウスカロライナ州のVCサマー発電所の新型原子炉2基の建設・運転を認可することを決めた。
問題は地震国日本である。 昨年8月26日、原子力安全・保安院は、原爆と原発は比較できないとしつつ、福島第1原発事故で1~3号機から大気中に放出された放射性セシウム137の総量は、昭和20年の広島市への原爆投下の168.5倍に上るという試算を公表した。10月、ノルウェーなど欧米の研究チームは、セシウムの放出量は約3万5800テラベクレル(テラは1兆)でチェルノブイリ原発事故の放出量の4割にあたると発表した。このような事故は二度と起こしてはならない。
千年に一度の自然災害への対策は困難だろうが、人知を尽くす必要がある。少なくとも政治家でなく、専門家の再判断を問うことが必要だろう。3月末、経済産業省原子力安全・保安院は、活断層が連動して地震を起こしたり、海溝付近でマグニチュード(M)9.0規模の地震が起きたりすることも想定する必要があるとして、全国14カ所の原発で最大の揺れを再検討するよう電力事業者に求めた由である。1~2カ月中に結果の報告を求める由だが、このような作業は不可欠だろう。原発再稼働にはくれぐれも慎重な対応が要求される。(おわり)
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(連載)原発再稼働は慎重に(1)
角田 勝彦 2012-04-02 19:19
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角田 勝彦 2012-04-03 19:58
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