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2012-11-15 22:50
大学設置・学校法人審議会委員の構成を多様化せよ
金子 弘
日本学習社会学会会員
11月9日付けの本欄への投稿「田中文科相の大学設置基準改革を支持する」で、小川元氏が「田中真紀子文科大臣による3大学の設置不認可は結局撤回された。マスコミなどでは『子どもが可哀想』とか言う、お涙頂戴で田中バッシングが行われたが、これは本質論ではない」と述べているのは、正論である。田中真紀子文部科学大臣の3大学の新設不認可発言によって、大学設置・学校法人審議会による大学の新設認可の在り方に対して関心が高まっていることこそが、重要であるといえる。そこで、大学設置・学校法人審議会の改革について考えたい。
平成15年の学校教育法の改正によって、「事前規制から事後チェックへ」という考え方の下に、大学の設置認可の弾力化、審査基準の大幅な簡素化・準則化が図られた。しかし、最近の新設大学の中からは、教員組織、教育課程、施設設備などにわたり、大学教育の在り方として疑義が呈される事案が発生するとともに、資格試験予備校と内実が変わらない大学の実態も明らかとなり、大学設置・学校法人審議会から大学設置基準等の見直しを求める課題提起がなされていた、たとえば、平成20年12月の中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」などがある。
他方、大学設置・学校法人審議会の委員等は、大学設置・学校法人審議会令第2条によって文部科学大臣が任命すると定められている。つまり、今回、田中真紀子文部科学大臣が大学設置・学校法人審議会の委員構成のバランスについて問題を提起したが、これまでこの問題を放置して来たことにも問題があるといえる。
こうしたことから、大学教育の質を維持、向上するための大学設置基準等の改正を図ることはもとより、大学設置・学校法人審議会の改革として、審議会委員の構成の多様化等を図る必要があると考える。それによって委員会の議論に多様な視点を取り入れることが可能になる。さらに、委員を定期的に半数ずつ入れ替えることで、審議会の継続性を保ちつつ、議事録を公開することで、審議の透明性を高めるとともに、責任の明確化等を図るべきであると考える。
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投稿履歴
田中文科相の大学設置基準改革を支持する
小川 元 2012-11-09 12:19
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大学設置基準改革だけでは不十分
金子 弘 2012-11-11 12:33
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大学設置・学校法人審議会委員の構成を多様化せよ
金子 弘 2012-11-15 22:50
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大学経営のあるべき姿について考える
金子 弘 2012-11-20 22:45
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