サイバー戦について年次報告は、2012年に国防総省も含め米政府機関や世界のコンピューターに「直接、中国政府と軍の組織による侵入があった」と公表した。不透明さの批判に対して中国は「(中国の軍事政策に)米側があれこれ言う権利はない」と反論したが、国際的な懸念への答えになっておらず、透明性を欠くことに変わりはない。Wall Street Journal 紙は4月、「北京の偏執病的世界観」との見出しで、アジアの安全保障に詳しいアメリカン・エンタプライズ研究所のオースリン氏の論文を掲載した。同氏は護衛艦に対する中国海軍による射撃管制レーダー照射、日本の防空識別圏への戦闘機の侵入、南シナ海でのベトナム、フィリピンとの対決などを取り上げ、中国の国防白書は強硬姿勢を改める兆候を示していない、と手厳しく批判している。