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2014-02-03 22:25
(連載1)シリア和平国際会議とシリアへの緊急人道支援
水口 章
敬愛大学国際学部教授
1月22日、スイスのモントルーでシリア問題についての国際会議が開かれた。同会議を前に、1月12日にはパリで「シリアの友人」会合(シリア反体制派とそれを支援する10か国)、13日にはケリー米国務長官、ラブロフ・ロシア外相、ブラヒミ国連およびアラブ連盟共同特別代表の3者会談、14日にはクウェートで国連主催のシリア人道支援会議(約70カ国・24組織が参加)が開催されている。
シリアの平和構築でも、(1)政治プロセス、(2)軍事プロセス、(3)復興プロセスの3つのバランスを取りながら国民融和を導き出すことが求められる。具体的には、(1)アサド政権の統治の継続問題、(2)停戦、(3)緊急人道支援が第1段階のプロセスだろう。この3つのプロセスを動かすに当たって、国際社会では、イランの会議参加問題、国際テロ組織アルカイダ系グループへの対応、化学兵器処理問題などの細部の問題に注目が集まってしまっている。そのことにより、国際社会へのリスクや関係国の「国益」の調整に交渉者の意識が向いている。
取り分け、アルカイダ系「イラク大シリアのイスラム国」(ISIS)(「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)とも呼ばれている)が、シリア、イラク、レバノンなど地域の不安定性を高めていること、また同組織に加わる外国人イスラム聖戦士(ジハーディスト)の存在が注目を集めている。ISISは、2014年に入り、レバノンのベイルート南部(シーア派のヒズボラ支持者が多い地域)でのテロ事件、イラクのアンバール県での都市制圧(ファルージャ、ラマディー)などで急速に存在感を高めている。
ISISに関する報道も目立っており、アッシャルクルアウサト(1月5日付)が、アルカイダの指導者アイマン・ザワヒリ容疑者の指示に必ずしも服従しない「ミュータント」(突然変異種)になっているとの記事を掲載している。また、ウォールストリート・ジャーナル(1月16日付)は欧州から流入したジハーディストの状況について報じている。(つづく)
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