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2015-02-11 17:38
(連載1)消費税軽減は週刊誌を除外していい
中村 仁
元全国紙記者
自民、公明両党は消費税における軽減税率の導入に向け、対象品目を選ぶ検討を始め、今秋までに具体案を決めることにしています。予定通りならば、2017年4月の消費税10%上げの際に、軽減税率が実施されます。結論からいうと、生活必需品を中心に生鮮食品などに軽減対象を絞るに絞り、新聞・出版についていえば、週刊誌などの雑誌は除外すべきでしょう。週刊誌はとても生活必需品といえません。
財政赤字が毎年3、40兆円も増え、日銀が巨額の国債を買い続けており、この異常な姿はいずれ限界に達します。これは次の若い世代にツケをまわしていることと同じで、今の世代ができるだけ財政再建に協力しなければなりません。たとえれば、親子ローンを組んで二世帯住宅に住み、子供を喜ばせ、その返済は親が死んだ後、子供に任せるというのと同じです。よほど人のいい子供でないと、「お父さん、それでいいよ。払っておくよ」とはいわないでしょう。
消費税を1%引き上げると、2兆5千億円の税収増になります。10%(5兆円の増収)になるときは、「軽減税率を導入し、消費者の負担をできるだけ軽減する」ことが自公政権の選挙公約になっております。具体案づくりはちょうど始まったばかりです。特に公明党が「低所得層への配慮を」と自民党にせまり、渋々、応じた形になっています。「軽減税率はいいじゃないですか」という国民が7、8割でしょう。問題は対象品目を厳しく絞らないと、税収増に大きな穴があくことです。
野菜、魚、肉などの生鮮食料品だけを軽減税率(現在の8%に据え置き)の対象にしても、消費税収は1800億円も減ります。想定される税率の10%に対しては、2%分の3600億円の税収減となります。ジュース、牛乳などの飲みもの(酒類をのぞく)も対象品目に含めると、1%につき4000億円、2%分で8000億円の減収です。恐らく財政状況からすると、このどちらかの案に落ち着くでしょうね。おなじようなハンバーグでも、スーパーで買うと低い税率、チェーン店で外食すると通常税率ということは避けられません。
新聞界は軽減税率の導入に大賛成です。「新聞・出版物を含め、ほとんどの国で導入している」、「国の文化水準、民主政治の維持に不可欠である新聞も対象とすることが、公共性の高い報道活動を行うことに必要だ」などとキャンペーンをしております。どうでしょうか。生鮮食品に異論はでなくても、著作物となると、国民の間でも意見が分かれるでしょう。(つづく)
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(連載1)消費税軽減は週刊誌を除外していい
中村 仁 2015-02-11 17:38
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中村 仁 2015-02-12 01:17
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