傑作なのは中央日報だ。「発言のあちこちから『日本はそれなりに努力しているのに韓国・中国が国内の政治的理由でこれを受け入れない』という形の日本側論理が見られる」と強調。これだけは正鵠(せいこく)を得ている。揚げ句の果てに「日本はワシントンに韓米関係に溝を開けることを専門担当とする外交官がいるほどだという」と噴飯物の分析をしている。シャーマン次官発言が確信的である証拠は、きわめてセンシティブな問題に繊細な言葉遣いをしていることであろう。例えば慰安婦を「いわゆる慰安婦(so called comfort women)」と発言してクリントンの「性奴隷(sex slaver)」発言の表現をとるのを控えた。さらにシャーマンは「歴史教科書の内容をめぐってもお互いに意見の相違(disagreement)がある」と表現した。これは明らかに日韓の主張の相違を客観的に述べただけで日本に対する外交的配慮が見られる。従ってシャーマン発言は練りに練ったものであり、その基本には日韓関係悪化の主因は韓国側にあるという判断がある。