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2007-03-22 11:09
いまの円安はバブルではないか?
鈴木淑夫
元衆議院議員・鈴木政経フォーラム代表
この1年程の間、米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドルなど主要通貨に対して安くなっている。その米ドルに対して、日本円は更に安くなっているので、日本円の実効レートは著しく低下している。米ドルが主要通貨に対して下落しているのは、ファンダメンタルズから考えて違和感はない。この1年間、米国の経常収支赤字の累積(対外純負債の増加)は、ユーロ圏、英国、豪州に比べて極めて大きいからだ。
しかし、巨額の経常収支黒字を累積し、最高の対外純資産残高を持つ日本の円が、主要国通貨に比べて一方的に下落している姿は、ファンダメンタルズからは説明がつかない。日本銀行の試算した日本円の実質実効レートは、プラザ合意(85年9月)当時の水準まで下がっている。
日本円の実質実効レートが下落傾向を辿り始めたのは、日本銀行のゼロ金利政策が始った01年始め頃からである。従って日本円の下落傾向は、金利差の拡大が切っ掛けである。しかし、それだけで円の異常な安さが説明できるであろうか。
安い金利で円を調達して外貨に替え(ここで円安圧力)、海外で投資や融資を行う「円キャリ取引」の残高が累積し、一説では20兆円に達していると言われる。これが単なる金利差によるものではなく、「円安が円安を呼ぶ」期待の偏りによるものであれば、円安・外貨高は資産バブルではないか。もしバブルなら、何かを切っ掛けに円キャリ取引の逆転が起った時、バブルは崩壊し、急激な円高を引き起こして国際取引の混乱を招くだろう。
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いまの円安はバブルではないか?
鈴木淑夫 2007-03-22 11:09
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円安バッシングの懸念は小さい
塚崎公義 2007-05-18 09:49
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