さらに、我が国の脱炭素社会構築への長期戦略の策定における日本の総てのステークホルダーの積極的な参加を実効あるものにするためには、諸々の代表者会議へ参加する人々はもちろんのこと、それらを背後で支える国民大衆の本戦略課題についての理解を増進するための可視化が不可欠である。現時点での科学技術によって可能な限り、前世紀から今世紀にかけてと2020年以降の気候変動とその地球上のすべての生命、人間社会への短期的・中長期的影響を図表、動画でもって可視化する必要性を強調したい。その可視化の一環として、小生は、1992年の地球サミット以来顧問として深く関わってきたNPO法人「国連クラシックライブ協会」のご協力で、「地球憲章」に基づいた環境ミュジカル「Our Blue Planet」を2000年以降既に60回上演し、今年はカナダの建国150周年記念公演を首都オッタワにて、国際交流基金や民間企業のご支援を得て上演してきた。この音楽劇公演を通じて、貧困撲滅、人権擁護、地球環境の保全、核なき平和を、音楽、舞踊、物語、討論により、観客の頭や心に訴えるという文化芸術がもつ偉大な神通力を再認識すると共に、各地公演先の人々が舞台へ登場するという参加型ミュジカルがもつ偉大な共感・共鳴力を痛感していることを特記したい。(おわり)