日本国際フォーラムが刊行した『JFIR WORLD REVIEW』創刊号の「中国外交のユーラシア的展開」と題する論文における駒澤大学の三船恵美先生の「一帯一路をユーラシアにおける経済圏構想として語っている人々は、目先の経済活動の利益にばかりとらわれて、日本の安全保障の将来を差し出そうとしている」との御指摘は誠に至言である。一帯一路、AIIB、東/南シナ海進出、等の対外活動に加え、我々は中国国内経済動向にも注意する必要がある。従来より中国の不良債権、過剰債務、過剰生産、過剰在庫は中国経済の根本的な問題であると広く流布されてきたが、今年に入り政府系港湾運営会社、国有建設会社、等の債務不履行が報じられ、1-6月で日本円換算4,000億円超となり通年では過去最悪となる怖れも指摘されている。