昨年2月ブッシュ政権はGNEP(Global Nuclear Energy Partnership)という新構想を発表した。これは、従来直接処分としてきた放射性廃棄物を再処理して減量し、最終処分地のユッカ・マウンテンが満杯になるのを先延ばしする必要性と再処理のプロセスで超ウラン元素を混入して核拡散を防止する効用との一石二鳥を狙ったものだ。ということは、nuclear は双方にかかることになる。外務省・経済産業省は「国際原子力エネルギー・パートナーシップ構想」と訳しているが、二重三重の誤訳が存在する。Global はinternational (国際)に代わって使われるようになった言葉だし、nuclear energy 全体が「原子力」を意味し、「原子力エネルギー」とは言わない。「火力」を火力エネルギー、「水力」を水力エネルギーと言わないのと同じだ。そして何よりこの場合のnuclear energyは「核」と「原子力」双方にかかる。