日本政治研究から政治学全体に大きな貢献となったのは、チャルマーズ・ジョンソン(Chalmers Johnson、1931-2010年、79歳で没)著『通産省と日本の奇跡: 産業政策の発展1925-1975 (ポリティカル・サイエンス・クラシックス)』(TBSブリタニカ、1982年;勁草書房、2018年)だ。この本では日本の奇跡の経済成長(1960年代から1970年代にかけての高度経済成長)について、通産省(MITI、Ministry of International Trade and Industry)主導の「産業政策(Industrial Policy)」が実現したということを分析している。本書の官僚主導(Strong State Model)、産業政策という分析ツールは他の国々の分析にも適用可能なものとなり、大業績となった。