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2022-06-22 23:26
(連載2)日本共産党「共産主義」放棄が不可欠
加藤 成一
外交評論家(元弁護士)
また、日本共産党が党規約2条に定める「マルクス・レーニン主義」(「科学的社会主義」)の核心は、レーニンによれば、「暴力革命とプロレタリアート独裁であり、暴力のあるところに、自由も民主主義も存在しない」(レーニン著「国家と革命」レーニン全集第25巻432頁。499頁。1957年大月書店)。プロレタリアート独裁とは、資本家の反抗を暴力で抑圧する労働者階級の権力であり、その本質は共産党一党独裁である。さらに、「暴力革命」に関連して、日本共産党は現在も「敵の出方論」(「革命が平和的か暴力的かは敵の出方による」=宮本顕治著「日本革命の展望」315頁。1966年日本共産党出版部。不破哲三著「人民的議会主義」244頁。1970年新日本出版社)を明確には放棄していない。これは、敵の出方次第では暴力革命を行うということである。
昨年の総選挙の結果、立憲・共産両党の「閣外協力合意」は失敗し、両党とも得票数も議席数も減らし敗北した。その原因は、両党に比べて「改革志向」が強い「日本維新の会」に若年層や無党派層などの大量の票を奪われたことと、「共産アレルギー」の影響によると筆者は分析している。このため、立憲民主党は現在日本共産党との「選挙共闘」に消極的であり事実上拒否している状態である。
したがって、日本共産党が立憲民主党など他の野党との「連立政権」参加により政権に近づくためには、イタリア共産党のように、「共産主義イデオロギー」であるマルクス・レーニン主義(「科学的社会主義」)を放棄し、社会民主主義政党に大変革することが不可欠である。すなわち、マルクス・レーニン主義の核心である「暴力革命」(「敵の出方論」)と「プロレタリアート独裁」(「社会主義をめざす権力」)の概念を新綱領において明確に放棄し、議会制民主主義と資本主義の枠内における改革改良を目指す社会民主主義政党に大変革する必要がある。イタリア共産党は、「マルクス・レーニン主義」(「暴力革命とプロレタリアート独裁」)を放棄して社会民主主義の「左翼民主党」になり、1996年中道左派連合である「オリーブの木」との選挙協力で政権獲得に成功した。さらに、党最高幹部の独裁をもたらす党規約3条で定める「民主集中制」を放棄し党内民主主義を確立する必要がある。そして、日本共産党は、日米安保と自衛隊を認め、日本の「抑止力」強化を容認する必要がある。ロシアによる国際法違反のウクライナ侵略や、核を含む軍事力を増強する中国・北朝鮮の脅威を考えれば、「抑止力」の強化は必要不可欠だからである。
上記の大変革がなければ、日本共産党は半永久的に政権に近づけないであろう。なぜなら、立憲民主党をはじめとする他の野党や多くの国民が、暴力革命とプロレタリアート独裁を核心とする「マルクス・レーニン主義」(「科学的社会主義」)に立脚する日本共産党を恐れ、且つ、安保条約廃棄と自衛隊違憲解消を主張する日本共産党の「連立政権」参加を拒否し続けるであろうからである。(おわり)
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加藤 成一 2022-06-21 20:23
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加藤 成一 2022-06-22 23:26
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