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2022-09-22 17:21
(連載2)「ウクライナ解放」の夢は潰えた
赤峰 和彦
自営業
事実、大手メディアは、ウクライナ侵略は悪いといいながらも、加害者のロシア自体を糾弾したり徹底追及する報道姿勢はありません。むしろ、プーチン氏がどうのこうのと批判をするように見せて、最終的には国際社会に影響力を持つ「偉大な政治家」のように報じることがしばしばあります。この点が、ロシアとプーチン氏に辛辣な海外メディアとの考え方の根本的違いがあると考えます。
実際のところ、ロシアのウクライナ侵略の現在地点はどのようなものなのでしょうか。まずは、軍事面から。現在の戦況を分析すると、地上戦ではウクライナの優勢は間違いないようです。このままいけば、クリミア半島奪還まで突き進むかもしれません。先月、軍事に詳しい筋と情報交換する機会があり、話を聞いたところ、①クリミア半島からはすでに露軍の作戦機と軍艦がほとんど撤収してしまった。それに続いて、造船所の労働者たちも続々とロシア本土へ脱出を始めている。②ヘルソン~クリミア方面では、露軍は、ロケット弾によって対人&対戦車地雷をバラ撒いている。もう、クリミア半島は抛棄する覚悟を決めたのだろう。
③ザポロッジア原発を迂回するようにウクライナ軍は攻めている。ロシア軍は、原発の近くで長期包囲されて放射能まみれになる事態は厭なので、総脱出の準備を進めている。④露軍のカリブル巡航ミサイルはほとんど尽きた。短距離弾道弾のイスカンデルは、開戦前の2割の在庫しかない。対地攻撃用のミサイルを増産しようにもチップがない。だからあとは頼りにできるのは、イラン製の無人特攻機だけだ。⑤ウクライナ軍が最近鹵獲したT-80は新品であることがわかった。ふつう、戦場にやってくるのは、3万時間から4万時間のエンジンの戦車なのに。そしてよく調べると転輪に白色塗装の痕がある。これはまぎれもなく、パレードに使われていた車体であろう。
この話は8月の時点で出された情報で、今はもっと進展しているようです。もはやプーチン氏の「ウクライナ解放、大スラブ主義の夢」はついえたと考えるべきです。しかも、重要なことはウクライナ侵略が失敗に終わり、プーチン氏のロシアが崩壊の第一段階に入ったということです。かつてのアフガン侵攻がソ連崩壊の端緒であったことを思い起こせば、プーチン氏の失敗はロシア連邦崩壊の予兆になります。ロシア人は旧ソ連につづいて二度目の国家崩壊を味わうことになる可能性が高くなってきました。日本のメディアはもっと本当のところを取材して、真実を報道してもらいたいものです。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)「ウクライナ解放」の夢は潰えた
赤峰 和彦 2022-09-21 20:59
(連載2)「ウクライナ解放」の夢は潰えた
赤峰 和彦 2022-09-22 17:21
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