ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
2025-03-15 17:07
(連載2)台湾統一をめぐる習近平政権の野望と日本
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
トランプ大統領は就任以降、「習近平は良い男だ。話せばわかる」ということを発言している。あまり頭のよくない日本やアメリカのマスコミたちは、この発言を「言葉通り」に受け取って「トランプ大統領は、アメリカファーストとカネのために民主主義を裏切って中国やロシアに近づいている」などということを言う。もちろんそのような解釈もできるのであるが、実際にトランプ大統領が行っている内容は、対中包囲網と経済的な封じ込めということになる。もちろん戦争をするというようなことではなく中国を経済的に封じ込めるということが大きな目標になっている。
しかし、その様に経済的に封じ込める場合は、当然に、「暴発」する場合がある。特に中国などは国際法を守らない国の代表格である。民主主義と言うよりは資本主義経済においてルールを守らない・信用を得ない、ということは経済的な継続性を得ることができないということになり、そのことは、そのままそのような無法的な存在をのさばらせることがそのまま全体の崩壊を招いてしまう。資本主義、自由主義経済の崩壊はそのまま秩序の崩壊であり、その崩壊を食い止めることが民主主義、資本主義陣営の大きな目標になる。
つまり、「同じ民主主義・自由主義経済の国であれば、中国を封じ込めることが必要」ということになる。アメリカは日本にGDP比3%の防衛費をつくるように要求している。もちろん、その防衛費が打倒であるかどうかは日本政府が判断することである。しかし、同時にその防衛費を得ることはある意味で「中国の覇権主義から日本は日本自身で守る」ということを意味している。日米安全保障条約はそのまま「日米同盟」という対等関係なのか、または「アメリカが日本を庇護する関係」なのかということになる。中曽根内閣の時に「日米同盟」という単語を使い「不沈空母」という単語を使ったことが話題になった。あれから40年。今は中国という現実的な脅威が目の前にある状態で、日本は何をすべきか。
安倍内閣の時は「集団的自衛権」ということを発動可能にした。このことで台湾有事ということを現実の問題として把握し、そのうえで防衛計画を立てることを行った。しかし岸田内閣でその言葉はかなりトーンダウンし、石破内閣になったら「アメリカが一方的に日本を庇護する安全保障条約」になってしまっており、具体的な世界戦略を出さないでいる。インド太平洋戦略を打ち出した安倍内閣とはくらべものにならないほどひどい内容である。そのような状況を見越して、つまり「アメリカだけが敵」というようになったために中国は台湾統一を徐々に現実的なものとして動き出している。そのことが今回の全人代で明らかになっているのではないか。日本の危機はすぐそこに迫っている。(おわり)
<
1
2
>
>>>この投稿にコメントする
修正する
投稿履歴
(連載1)台湾統一をめぐる習近平政権の野望と日本
宇田川 敬介 2025-03-14 16:48
(連載2)台湾統一をめぐる習近平政権の野望と日本
宇田川 敬介 2025-03-15 17:07
一覧へ戻る
総論稿数:5592本
公益財団法人
日本国際フォーラム