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2009-01-16 09:45
(連載)国連と日本(2)
坂本 正弘
日本戦略研究フォーラム副理事長
しかし、2007年9月12日付け本欄「百花斉放」でも指摘したことだが、米国は、裏舞台で中国の仲介により北朝鮮と和解し、ボルトン・大島ラインは梯子を外された。2007年には、ボルトン大使は更迭され、日本は安保理理事国を去ったが、2008年1月には米国、北朝鮮がベルリンで協議し、バンコ・デルタの資金凍結が解除された。この裏には、いっそう進んだ米中接近があり、国連での状況は茶番劇ともいえる状況だった。
2005年、2006年の経験から日本は何を学び、どう行動するか。残念ながら、今回のガザ問題でも日本の顔は見えていない。日本の現地特派員が記事を書いても、本社のデスクが取り上げないなど、「メデイアの報道ぶりに問題がある」との意見もあるが、改めてpublic diplomacy(広報外交)を強化し、安保理で日本の顔を見せる必要がある。
日本から見れば、現在の国連安保理の状況には、納得のいかないことが多い。P5(常任理事国)の行動には疑問が多い。特に国連分担金からみると、日本はアメリカに次ぐ16%強を支払っており、常任理事国の資格十分であるのに、3%弱の中国、2%弱のロシアの格下になっている。日本のPKO経費負担額が70億ドルを超える状況は、この矛盾を更に深めることになる。
しかし、PKOに派遣する人数でいうと、日本は中国に遥かに及ばない。ソマリア海賊問題でも先を越されている。日本は、改めて、憲法9条の改正、集団自衛権の認知など、顔の見える外交の条件を整える必要がある。(おわり)
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投稿履歴
(連載)国連と日本(1)
坂本 正弘 2009-01-15 18:47
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(連載)国連と日本(2)
坂本 正弘 2009-01-16 09:45
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