昨年の大統領就任からというもの、保守派の市民団体はオバマ氏をカーターⅡと揶揄し続けている。しかし今回は『フォーリン・ポリシー』誌のような権威のある専門誌までがオバマ氏とカーター氏の類似性を語り、何と同誌1・2月号の表紙の写真にまでなった。このカバー記事は、外交問題評議会でヘンリー・キッシンジャー記念フェローのウォルター・ラッセル・ミード氏が、“The Carter Syndrome”という題で投稿している。
1月のオバマ大統領就任1周年を機に、アメリカのメディアとシンクタンクはオバマ政権の実績について賛否を交えた議論をしている。アメリカ国内の保守派は、早い時期からオバマ氏に対する批判を続けている。グラスルーツの保守派はティー・パーティー運動を展開し、国家管理の健康保険制度に反対の声を挙げている。国家安全保障に関しては、ディック・チェイニー前副大統領がジョセフ・バイデン現副大統領との討論で、オバマ氏の対テロ措置が弱すぎると批判した(2月15日付け『ワシントン・ポスト』紙記事“Cheney criticizes Obama on national security policy, and Biden fires back”)。