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2011-02-16 18:19
(連載)チュニジア、エジプト政変のうねりの意味するもの(1)
水口 章
敬愛大学国際学部教授
チュニジア、エジプトの政変で見られるように、インターネットの発達により、他者の感情に訴えかけたり、衝撃的な映像で他者を突き動かすことが、これまでとは比較にならないほど容易になっている。それは半面、特定のテーマや人物に絞って攻撃を仕掛けやすいことを意味する。
では、チュニジアとエジプトの抗議行動で、人々は具体的に何に共感し、何に対して行動を起こしたのだろうか。その答えを見つけ出せれば、今後、中東地域をはじめ世界空間で起きるであろう抗議活動の広がりをある程度予測できるのではないだろうか。
一連の抗議活動で多く語られた言葉は、「自由」「公正」など人間の尊厳にかかわるものが多かったのではないだろうか。また、命を奪われた人々の行動に対する共感と絆の確認、その命を奪った者に対する怒りの言葉も数多く発せられた。こうした言葉や身体表現の映像は、国境を越え、文化の違いを超え、世界の人々の心も揺さぶっている。そして、感情や信条などの同質性がより高い人々の間に意識連帯が生まれている。
このような人々の意識のうねりが広がる中、2月14日にパレスチナ自治政府のファイヤド首相が総辞職をした。また、バーレーンでは市民の抗議デモが計画された。先に、パレスチナ自治政府は7月に地方選挙、9月に議長選挙と評議会選挙を実施すると発表した上で、今回の総辞職による内閣改造となった。その動きを促したのは、占領下のパレスチナの人々の閉塞感や自らの未来への喪失感の大きさではないだろうか。(つづく)
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(連載)チュニジア、エジプト政変のうねりの意味するもの(1)
水口 章 2011-02-16 18:19
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水口 章 2011-02-17 15:58
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