アメリカ、そしてイギリスの排外的孤立主義達は、自国が経済的苦境にある時には「旧敵国が再興してきた」と恐怖心を煽り立てたが、そうした見方は全くの間違いであった。アメリカの悪名高き大統領候補ドナルド・トランプ氏やイギリスのナイジェル・ファラージ独立党党首の例にも見られるように、そうした考え方に魅了されるような人々は、その国の中でも嗜好、見識、道徳、そして知性のいずれにおいても最も貧困な部類の有権者層である。その国で最良の人材(crème de la crème)なら、国際主義者であることが当然であり、自分達の国が世界の中で果たすべき役割への問題意識には高いものがある。