一方、北朝鮮は1994年の「核危機」以来、6ヵ国協議をはじめ多くの会議や合意を実施したにもかかわらず、結果的には北朝鮮に核とミサイル開発の時間を与えたのみとなり、今回核弾頭の爆発実験に成功したことは、同国の核の脅威が現実のものとなったことを示すものである。中国は北朝鮮に対する「非難」には国際社会と同調しているものの、貿易はほとんど従来と変わることなく継続しており、「北朝鮮問題」は「中国問題」の一部でもある。一連の事象の背景には、中国と米国を中心とした自由主義陣営との Balance of Powerが中国に傾いていることがあり、先ず中国に対する自由主義陣営の抑止力を向上させ、Balance of Powerを回復することが喫緊の課題である。