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2018-02-20 11:21
「鼻血作戦」は核放棄への選択肢
加藤 成一
元弁護士
2月14日付けe-論壇「百花斉放」の四方立夫氏の投稿「鼻血作戦の回避を」で、四方氏は「金正恩は有言実行の独裁者であり、すでに我が国を射程に入れた核ミサイルを保有している可能性が高い。米軍が北朝鮮を攻撃すれば、北朝鮮の反撃を招き、米軍基地を擁する我が国に甚大な被害が及ぶ恐れがある」などの理由で米軍の「鼻血作戦」(bloody nose)に反対しておられる。
もとより、軍事力ではなく対話による核問題の平和的解決が望ましいことは言うまでもない。しかし、これまでの歴史的経緯から、北朝鮮は対話によって核を放棄する意思も保証も全くないと言えよう。将来にわたって核を放棄する意思がない北朝鮮が今最も恐れているのは、米軍による核関連施設等に限定した先制攻撃としての「鼻血作戦」である。
現在の米朝両国の核を含む軍事力には圧倒的な差があり、短期戦であれ、長期戦であれ、北朝鮮には到底勝ち目がなく、米軍基地を擁する我が国への反撃は、米国との全面戦争となり「独裁者」の生命のみならず、自国の滅亡を意味することは「独裁者」自身が百も承知しているから、我が国への反撃は躊躇するであろう。「鼻血作戦」を北朝鮮がいかに恐れているかは、2月6日付け朝鮮労働党機関紙「労働新聞」で「鼻血どころか草一本にでも触れた瞬間、米国が地獄と化し、ただでさえ短い歴史が永遠に終わるだろう」などと米国を激しく恫喝していることからも明らかである。
北朝鮮はこの「鼻血作戦」を深刻に恐れているからこそ、先制攻撃を回避するために平昌五輪に参加し、金永南氏や金与正氏を敢えて訪韓させたと考えられる。したがって、米軍による「鼻血作戦」は核放棄をさせる選択肢たり得るものであり、米軍が先制攻撃をすれば日本を核攻撃し海に沈める、といった恫喝に恐れ怯えることは北朝鮮の思う壺であり、結局北朝鮮を核保有国として容認することにつながると言えよう。
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投稿履歴
鼻血作戦の回避を
四方 立夫 2018-02-14 18:30
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「鼻血作戦」は核放棄への選択肢
加藤 成一 2018-02-20 11:21
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