EUは、1989年の天安門事件をめぐり、中国に対して武器禁輸制裁を行ってきた。現在に続くこの措置をめぐり、EUでは「禁輸の解釈」を「各国の解釈」に任せており、フランスを筆頭にドイツ、スペイン、イタリアが中心となって、「軍事関連物資」の輸出やライセンス生産などの形で中国への軍事移転を拡大している。ストックホルム平和研究所=SIPRIのTrends in international arms transfersによれば、2008~2017年におけるフランスの第2位の顧客だったのは中国であった。SIPRIによれば、 世界の主要武器輸輸出国として、フランスのシェアは、2008~2012年6%(4位)のうち中国のシェアが12%(2位)、2009~2013年は5%(5位)のうち中国のシェアが13%(1位)、2010~2014年は5%(3位)のうち中国のシェアが14%(2位)、2011~2015年は5.6%(4位)のうち中国のシェアが13%(2位)、2012~2016年は6.0%(4位)のうち中国のシェアが11%(2位)、2013~2017年は6.7%(3位)のうち中国のシェアが8.6%(2位)であった。フランスの軍需産業にとって、中国は長らく「お得意様」である。