今回の「円安バブル」の崩壊は、円安を非難する政府高官の発言ではなく、米国のサブプライムローン問題に端を発する信用不安と景気後退の懸念が引き金となって発生した。サブプライムローンは証券化され、世界中の投資家が保有している。このため、その焦げ付きリスクを誰がどの程度負担しているかが分らず、各国の金融システムで信用不安の疑心暗鬼が生まれた。その結果、「flight to quality(質への逃避)」が発生し、世界中で株式から国債への資金シフトが起こり、世界同時株安となった。日本でも、日経平均で1万8千円台から1万6千円割れまで暴落した。